2009年02月09日

最新脳科学の講演

土曜日に御高名な九州のK先生のうつ病の話の講演があり、行ってきました。
うつ病にはセロトニンという神経伝達物質が関与しているのはほぼ間違いないのですが、ちょっとややこしい話になりますが(K先生の高等な話を僕なりに簡単に説明しますと)セロトニントランスポーター(というセロトニンを再回収するタンパク)遺伝子に「短いタイプ(short)」「長いタイプ(long)」があり日本人は8割くらいが短いタイプだそうです(欧米人は6割)。この「短いタイプの方がストレス負荷にて うつ病になりやすい」という論文がScienceという世界を代表する医学雑誌に2003年に出ました。その後、その検証のために世界中で同じような研究をして17論文くらい出たそうで、それをメタ解析という統計手法で解析したところの結果がネット上(まだ紙のジャーナルになっていないオンラインジャーナル)で出たそうです。残念ながら結果は「有意差なし」。これが有意差がつけば生物学的精神医学の領域では大進歩でしたのに・・・懇親会ではK先生も残念がっておりました。
まだまだ人間の脳は奥が深いですね。
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Posted by hiroki at 2009年02月09日 10:31 | 編集