2009年01月03日

うつ病の試験

悲しいことやつらいことがあると誰でも気持ちが落ち込みますが、多くの場合は時間が経つと元に戻ります。ところが、この落ち込んだ気分が長く続き、物事を決められなくなったり、実行できなくなったりすることで、日常生活に支障が出てくることがあります。これを「うつ病」といいます。
うつ病は、決して珍しい病気ではなく、誰でもかか罹る可能性のある病気です。厚生労働省の調査では、日本人の約15人に1人は一生に一度はうつ病に罹るとの報告があります。
うつ病では、気分が落ち込むといった症状の他に、肩こり、眠れない、食欲低下などの身体症状を伴うことも少なくありません。特に近年は、軽症のうつ病や、身体症状が目立つうつ病が増えているようです。
現在、うつ病の治療薬には、「三環系抗うつ薬」、「四環系抗うつ薬」、「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)」、「SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤)」など、さまざまな種類があります。
今回は、「SNRI」という種類の薬の「製造販売後臨床試験」を行います。製造販売後臨床試験というのは、既に厚生労働省の承認を受け、市販された薬で行う臨床試験のことです。
今回の試験では、患者さんに11~12週間薬を飲んでいただき、SNRIと対照となる薬とを比べ、どのような症状により効果があるかなどを調べることを目的としています。また、SNRIは一般的な服薬量よりも薬の量を増やせば効果が上がるという研究結果が報告されていることから、服薬量を増やしたときの効果も一緒に調べます。
この試験で使用される薬は、SNRIも、対照薬も、現在日本で広く使用されている抗うつ薬です。
試験のエントリーは希望していただいてもかまいませんし、わたしからお話することもあるかもしれません。エントリーの基準を満たしていれば、治験をすすめてみたいと考えています。ご協力宜しくお願い致します。
T-vs-P.jpg

Posted by hiroki at 2009年01月03日 18:16 | 編集