2009年05月21日

抗うつ薬補助療法薬の治験

「うつ病(大うつ病性障害)」は、日本においては人口の約6%の人が発症する病気といわれています。発病の原因はまだ解明されていませんが、その人が持っている性格的なものや体質的なもの、周囲の環境など複数の要因がかかわっているものと考えられ、脳内の化学物質の活動が乱れることによって引き起こる病気とされています。
うつ病の症状は、気持ちが落ち込んで無気力になったり、ゆううつな気分が続く、集中力がおちる、物事の決断がなかなかできないなどの精神的なものや、食欲低下~体重が減る、体がだるかったり、頭痛やめまいがする、眠れないなど身体的なものがあります。
治療は抗うつ薬による薬物治療や、精神療法(考え方や気持ちを整理することにより精神的な苦痛を軽くする治療法)、が中心です。
今回の治験は、今回のうつ病(大うつ病性障害)の治療において1~3回の適切な抗うつ薬治療を受け、いずれの治療でも効果が不十分だった20歳以上65歳未満の方が対象となります。
今回の治験の方法は、日本において厚生労働省に承認されている、抗うつ薬の「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」または「SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)」に、治験薬を併用して服用した時の効果と安全性を確認します。治験薬には、薬効のないお薬(プラセボといいます)を使用する場合があります。
米国では、すでに同様の治験が実施されており、「大うつ病性障害の補助療法」という効能・効果で承認を取得しています。補助療法とは、うつ病の患者さんが抗うつ薬による治療を続けたまま、さらにこのお薬を2剤目として追加服用して治療を行う療法のことです。
又、このお薬は抗精神病薬として、日本をはじめ世界60ヵ国以上で承認されており、現在医療の現場で実際に使用されている医薬品です。
治験へのエントリーは希望していただいてもかまいませんし、私からお話することもあるかもしれません。参加の基準を満たしていれば、治験をすすめてみたいと考えています。
ご協力宜しくお願い致します。

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Posted by hiroki at 2009年05月21日 10:15 | 編集