2008年05月29日

双極性障害の治験

双極性障害とは、うつ状態(病相)と躁状態(病相)または軽躁状態(病相)を繰り返す疾患で以前は「躁うつ病」と言われていました。うつ病相では抑うつ気分、興味・関心の喪失、自責感、不眠、全身倦怠感などの症状がみられ、躁病相では多弁、多動、爽快な気分、考えやアイディアが次から次へと湧き出る、それにともなってドンドン行動することがみられ、誇大妄想や怒りっぽくなったりもします。睡眠欲求は減少し寝なくても平気、社会的な逸脱行動がみられることもあります。このように2相性(うつ病相、躁病相)なので双極性障害と言います。
この疾患は、(単極性)うつ病の発症率と比べると、低めではありますが、けっして珍しい疾患ではありません。また若年成人(30歳前後)に発症することが多いです。
そして、一旦、回復しても再発することが多く、気分安定薬(mood stabilizer:代表的なものはリチウム)等で長く上手につきあっていくことが重要です。
今回、双極性障害(正確には双極Ⅰ型障害)の治験をスタートします。
目的は、新しい双極性障害の治療薬を処方できるようになるために症状の再発予防効果や、副作用などを確認し、効果や安全性が優れているかを調べる事です。
今回使用する治験薬は、服用することによって再発が予防される事が報告されており、双極性障害による気分の変動を安定させる事が期待されています。
この治験薬は、現在、双極性障害のお薬として国内を除く50カ国以上、てんかんのお薬として100カ国以上で承認され、使用されています。
治験のエントリーは希望していただいてもかまいませんし、私からお話することもあるかもしれません。エントリーの基準を満たしていれば、治験をすすめてみたいと考えています。ご協力宜しくお願いします。
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Posted by hiroki at 2008年05月29日 11:23 | 編集