2007年08月29日

朝青龍問題と精神科医

横綱 朝青龍のモンゴルへの帰国が決まり、この問題について精神科医として何がしかのコメントをしなければと思っていました。なぜなら・・・最初に診断した朝青龍の知人という医師。この方は「自称精神科医」と言わざるを得ません。彼のキャリアを調べてみても包茎手術が得意分野の美容形成外科医です。形成外科医を侮辱しているわけではありません。良心的で腕のいい形成外科医も知人でいます。しかし、今の日本の制度では麻酔科医以外は「自分は精神科医」と言えば精神科を標榜できるのです。逆に私が「外科医です」と言っても医師免許がある以上、詐称にはならないのです。これって問題ですよね。百歩譲って彼が精神科医だとして、次々と精神科医が朝青龍の診断をしました。そして診断名が色々出ました。「抑うつ状態および神経衰弱状態(??)」「急性ストレス障害(これが一番まとも)」そして「解離性障害(何で?)」。このあたりにも精神科診断学の曖昧さが浮き彫りになります。精神医学的診断が本当に必要だったのか、単に厳しい処分に対する一般的な反応(平たく言えばふてくされている)とも思えます。まあ私が診察した訳ではないので、あまり踏み込んだ発言はできませんが、医学の専門家が診断をつけて朝青龍を世間からのバッシングから守ったというのが妥当なところでしょうかね。モンゴルで問題を起こさないで強い横綱が元気に帰ってきてくれることを願います。
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↑すっかり有名になった相撲診療所長

Posted by hiroki at 2007年08月29日 21:00 | 編集